菌類ネットワークから見るあいだの生態系

今回は食としてのきのこではなく、もっともっと壮大で魅力的なきのこのお話。

きのこは“菌類”であることはみなさんご存知かと思いますが、森林の中でどのような役割を担っているのでしょうか?
あいだの探索・実践ラボさんのイベントで菌類ネットワークについてのオンラインセッションがあったので、そこでの先生方のお話しを図解にさせていただきました。

その図解がこちら。

※図解をご使用したい方はお問い合わせください。

森林に広がる菌類ネットワークは、さまざまな動植物の物質循環を媒介しているそうです。
近年の研究で、植物は仲間同士でコミュニケーションをとり合っていることがわかってきており、連絡を取り合う範囲は最大で数百キロ四方にも及ぶとも言われているそうです。
そしてそのネットワークの意志疎通を司っているのが“菌類”だそうです。

役割は大きく分けて4つ

1. 餌資源としての菌類

ヒトはもちろん、リスやシカ、昆虫たちにとっても貴重な餌資源になっています。

2. 共生者としての菌類

樹木や菌従属植物と養分のやりとりを行なっています。さまざまな樹木と菌類のあいだで、主に片利共生と相利共生という2種類の関係が成り立っています。

3. 分解者としての菌類

朽木や落ち葉を分解し炭素循環に大きな役割を果たしています。数億年前に菌類が誕生し、現在に至るまで大気中に炭素を放出していますが、彼らの存在がなかったら今の緑豊かな地球はできていなかったとも言われています。

4. 媒介者としての菌類

根がつながっていない植物同士は菌糸を介して、互いに情報と養分のやりとりを行なっているそうです。森全体に同一の菌類が菌糸を張り巡らせている場合もあるらしく、まさに“個体”や“種”といった概念で捉えることが難しい生き物ですね。

協力:あいだの探索・実践ラボ